地面と繋がった暮らしに戻りたい。
マンションから戸建てに住み替えた60代夫婦が選んだのは、
木造で、冬あたたかく夏は涼しいハイブリッドソーラーシステムの、古くて新しい家。
天然素材をふんだんに使ったリビングにいると、肩の力が抜けて身体が楽に感じるの、と奥様。
階段を上がったところには無垢板のベンチを作り付け。
そこでひと休みしながら、吹き抜け越しに窓から見える自分の畑を眺めるのが、1日の中で大切な時間になったとご主人。
農家ならではの耕作道具を仕舞うための納屋も、統一感ある外観で建てました。
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大切な仕事道具を仕舞いたいから、とガレージではなく納屋を一緒に建てた。
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1階も2階も軒を深く作ってあるので、夏は強い日差しが室内に入りにくい。冬は太陽が低いので暖かい日差しが室内に入る。
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引き戸の玄関扉を開けると、ポーチから続く「洗い出し」という工法で設えた三和土。タイルと違って目地がないので汚れが目立ちにくい。
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玄関の大きな収納も全て職人の手作り。収納上部の隙間にスッと指を入れて扉を開け閉めできる。
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玄関から続くLDK。やんわりと空間を仕切る建具のデザインにもこだわりが。壁は珪藻土を櫛引き仕上げで。
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広々としたLDK。パッと目に入る、天井と吹き抜けの壁の一部に貼ったのは八溝杉。1年くらいかけてだんだんと美しい飴色に育つ。
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LDKの奥に和室。先祖代々の仏壇を上手に収めた棚。アクセントの黒檀の棚板が和室をピリッと引き締めている。サッシの内側には和室らしく障子が。両引き分けにして戸袋に収めたので、使わない時は開放的。襖や観音扉の取っ手にも設計者のセンスがキラリ。
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木の床と天井、珪藻土の壁、天然素材をふんだんに使ったLDKは、エアコンを使わなくても心地いい空間。
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畑まで見渡せて明るく開放的な、対面式のカウンターキッチン。
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キッチンや水回りの床は御影石を貼った。地熱も利用したシステムなので、土間のように夏はひんやりと心地よく、冬はじんわり暖かい。奥の小さな扉は、階段下の空間を利用したパントリー。この中は地熱の影響を受けない設計のため、食品を保存するのに向いている。
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トイレの床も、キッチンと同じく御影石貼り。ハイブリッドソーラーシステムのおかげで、全ての部屋が年間を通して安定した室温をキープ。トイレや脱衣所の温度差がなく、身体への負担が少ない。
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脱衣所の床も御影石貼り。お風呂あがりに裸足で歩くと気持ちいい。
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ダイニングの奥にご主人の書斎。玄関からはLDKの中が見えにくい造りなので、その間の建具上部は透明ガラスでぬけ感を。
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書斎には畑を望む、作り付けデスク。読書家のご主人のために背面には作り付けの大きな書棚も。
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畑に面した南側の窓の外には広いウッドデッキ。
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階段を上がったところに、杉の無垢板でつくったベンチが。無垢板をノミとカンナで仕上げるのは、大工の腕の見せどころ。
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ベンチに座って窓の向こうに広がる畑を眺められる。このベンチの存在が、吹き抜けをただの空間から、生活に彩りを与える空間へと変化させた。
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高断熱のハイブリッドソーラーハウスなので、吹き抜けの大空間も快適に。
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2階にも独立した洗面台とトイレ。
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主寝室にはウォークインクローゼットが。中の棚も職人の手作りで、使い勝手がよい。