東京都・稲城市 梨花幼稚園(施工者:創造空間高田工務店、設計・監理:結人建築設計事務所 吉野百合江、一色アトリエ一級建築士事務所 舘野正明、インテリアデザイン:Interior design farm 上杉直子、写真撮影 澤崎信孝「BRAIN SAWAZAKI PHOTOGRAPHY」)

 

大人が思う子どもぽい可愛いらしさ、を押し付けるのではなく『ひとりの人間として、子どもにもきちんとしたデザイン のいいモノを与えたい』。このような副園長のイメージを具現化した、紺色の外壁をまとったスタイリッシュな外観の木 造の園舎。紺色に加え、銀色の屋根や白い窓枠などのシックな色使いにより、既存のコンクリート打ちっぱなしの園舎と も調和する木造の園舎となった。
この木造の園舎を建てたのは、地元に根を張る小さな工務店とその職人仲間たち。普段は一戸建ての住宅などを手がける 職人たちが集結して、園舎という大空間に挑んだ。地元ならでは、職人の中にはこの幼稚園の卒園生も。そんな彼らの、 日本の木を知り尽くした職人技で、大空間を支えるための見た目も美しい梁が組み上がった。日々、変化し進化してゆく 幼稚園と地元の職人たちの、ちょっとした故障や修繕にもすぐ駆けつけられる、そんな距離感も頼もしい。